プレス金型の種類について

金属プレスに利用される金型は、大きく3つの種類に分けられます。

  • 単発型/コンパウンド型
  • 順送型/プログレッシブ型
  • トランスファ型

それぞれ一長一短があり、製品の特徴や生産数などに応じて、設計段階で金型の種類を選択します。それぞれの違いとプレス金型にあまり詳しくない方でも、金型の種類を見分けられるコツをご紹介します。

プレス金型の分類

プレス金型は、金属の特性を利用し素材を整形するために使う型のことです。

金型は加工する製品の大きさや加工速度、加工に必要とする圧力などに応じて、種類が異なります。

代表的なプレス金型は種類

  • 単発型/コンパウンド型
  • 順送型/プログレッシブ型
  • トランスファ型

作りたい製品や材質、加工速度によって、プレス金型にはそれぞれ向き不向きがあり、設計段階で適切な金型の選択が求められます。

単発型/コンパウンド型

単発型は、加工工程ごとに独立した金型を使用するのが特徴です。

基本的にプレス機1台あたり1型を取り付け、素材を加工します。

プレス金型の中でも最もオーソドックスな形で、金型の設計・製作がしやすいのが特徴です。

プレス機械の1ストローク(上下運動1回)に1加工しかできないため、順送型に比べて加工スピードは遅くなります。

順送型/プログレッシブ型

順送型は、1つの型に複数の工程を配置した型です。

材料はコイル材と呼ばれる、鋼材などの素材をロール状に丸めてあるものを使用します。

プレス加工された素材は、一番最後の工程で切り離されるまで、コイル材につながっているのが基本です。

順送型は、加工速度が早く大量生産に向いていますが、大型の製品加工には向いていません。

トランスファ型

トランスファ型は、工程ごとに独立したプレス金型を1台のプレス機内に配置した型を指します。

プレス機械と連動したクランクシャフトと呼ばれる搬送装置によって、自動で製品を次の工程に運ぶことが可能です。

トランスファ型の加工速度は、単発型より早く、順送型より遅いのが特徴です。

主に、深絞り(お椀状)の製品の加工に適しています。

プレス金型を見分けるコツ

普段からプレス金型の開発やメンテナンス、生産などを行っている方は、金型の種類を見分けるのはさほど難しくないでしょう。一方で、金型の専門知識を持たない方にとっては、種類を見分けることも困難です。

見分けるポイント

  • 金型の構造
  • 製品レイアウト

専門知識がない方でも簡単に金型の種類が見分けられる、ポイントを詳しくご紹介します。

金型構造の違い

金型の特徴は先程ご紹介しましたが、金型をぱっと見て分かる構造上の違いは次のとおりです。

単発型を見分けるポイント

  • 基本的に1工程1型なので、金型も工程と同じ数だけ作られている
  • 素材はシート材(板状)を使う
  • 製品を手で取り出すための切り欠きが金型上にある

順送型を見分けるポイント

  • 金型上に、材料を送るためのガイドピンやローラーなどが付いている
  • 材料はコイル材を使用することが多い
  • スクラップシューターなど、スクラップの排出機構が付いている

トランスファ型を見分けるポイント

  • 工程ごとに金型が分かれており、サイズ(高さ)やプレスラインがほぼ同じ
  • トランスフィーダと呼ばれる、送り装置がプレス機に付いている

製品レイアウトの違い

まずは、次の3つの製品レイアウウトを見てください。

上の画像は左から順に、単発型、順送型、トランスファ型で製作されたものです。金型の種類によって作れる製品に違いがあるため、製品の見た目からでも、ある程度金型の種類を絞り込むことができます。

単発型の製品

  • 小型〜大型までさまざまな製品に対応している
  • 少量生産の製品に使われることが多い
  • 製品レイアウト(※)が工程ごとに分割されている

順送型の製品

  • 安価・大量生産の製品
  • 小型の製品が多い
  • 製品レイアウトが繋がっている

トランスファー型の製品

  • 加工中に、外形が大きく変わる製品(絞りや成形向き)
  • 歩留まりがいい(スクラップがあまり発生しない)
  • 製品レイアウトが工程ごとに分割されている

(※)製品レイアウト…原料から製品になるまでの各工程のサンプル、試作品などのこと

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